モバイルで天気を配信している立場からXMLの無償提供に関して言わせてもらう

「Web屋のネタ帳」さんの記事「税金で作った天気予報のXML情報はあくまでも有償。月額3万也。http://neta.ywcafe.net/000948.html」のコメント欄に感想を書かせていただいたら「これ以上のお話はご自分のブログかあるいは/dev/nullにでもどうぞ。」という指摘をいただいたのでブログにて。

自己紹介

とりあえず私の立ち位置ですがモバイルで天気予報の情報を取り扱う仕事を行っておりますので、その立場から意見を書かせていただきます。
気象情報がどのように配信されているかということや、気象業務支援センターや民間気象会社が取り扱っている商品のラインナップや相場についての知識は一通り持っております。

今回の件は民間の気象会社のお仕事です。

すでに「はてブ」コメント、トラックバックで多数の指摘が入っていますし、私もコメント欄で指摘をさせていただいておりますが、今回発表された、XMLサービスは気象庁ではなく(財)日本気象協会アップフロンティア株式会社と提供する民間のサービスです。
ただ、本質ではない「枝葉」ということなので余り触れないでおきます。

気象庁XML無償配信はWeb業界の人間としてはありがたい

で、本題の気象庁XMLの無償配信については「Web屋のネタ帳」さんと同じく、Web業界の人間としては原価の削減に繋がる可能性があるのでありがたいです。

ただ、気象庁のデータを配信するだけのサービスであれば、月額で数万円程度という価格で購入することも出来ますので、サービス全体に掛かる経費には、それほど大きな影響は及ぼさないかと思います。

今年度内に仕様が確定させる予定だそうなので、気象庁さんが使いやすい価格(出来れば無料)で配信していただけることを期待してます。

XMLに関する意見が有れば気象庁に言えば良い

コメント欄でも指摘させていただいたのですが、気象庁は平成20年5月22日〜6月20日までの1ヶ月間、気象情報のXML化に関して意見の募集を行っていました。所謂パブリックコメントの募集というやつでしょうかね。

 「気象庁防災情報XML フォーマット」は、今後提供が計画されているより詳細で高度化された気象警報等の防災情報を幅広く活用していただくことを目的として気象庁XML コンソーシアムの協力を得て検討を行っているものです。
 今般、フォーマットの骨子をドラフト(素案)として作成しましたので、広く利用者の皆様からのご意見を募集します。いただいたご意見をもとに実際に利用可能なフォーマットを今年度内に取りまとめる予定です。

気象庁とXMLコンソーシアム「気象庁防災情報XML フォーマット」についてのご意見を募集

気象庁は無償でXMLデータを配信すべき」という意見は、上記の募集期間に公式な窓口に対して出すのが筋だったのではないでしょうか?気象庁は気象会社以外の民間企業との付き合いは少ないので、実際にXMLデータを使用するWeb業界からの意見は重宝したかと思います。

ちなみに、元記事のコメント欄で上記の意見募集については過去記事で触れているとのご指摘をいただいておりましたが

気象情報XML配信に関する意見募集のことはすでに過去記事でも触れているとおりなのでご苦労様です。

http://neta.ywcafe.net/000948.html#comments

2008年5月以降の記事と元記事からリンクされている記事を拝見させていただいたのですが、当該記事を見つけることが出来ませんでした。もしよろしければお教えいただけると大変助かります・・・。

また、記事にされていなくても、差し障りなければ「Web屋のネタ帳」さん提出されたご意見を公開いただけるとちょっぴり嬉しいです。

気象庁XML無償配信で何が変わるか

気象庁の存在意義は何?質のいい天気予報を広く周知することでしょ。

http://neta.ywcafe.net/000948.html

はい、わたしもそれは気象庁の存在意義の一つかと思います。

ただ、今更XMLの無料配信が始まったとしても、すでに携帯でもPCでも気象庁配信の天気予報はすでに無料で閲覧できるサイトは多数有りますし、非営利の個人向けにはXMLの天気予報を無償で提供するサービスならすでに存在しています。

気象庁によるXMLの無料配信で喜ぶのは月額数万円の費用がネックになって天気予報サービスが提供できないような規模のWeb企業だけになりますので、「公共サービス」として提供するの必然性は下がり受益者負担の原則が適用されるので、XMLの配信受信に対してはいくばくかの費用を求めるのは自然な流れではないでしょうか。